« 2005年12月 | トップページ

2006年1月26日 (木)

Implacable 執念深い

The implacable white South Africans who sustained fortress apartheid now realised that they could not hold out indefinitely (A rainbow of revolutions, Jan 19th 2006, The Economist)

アパルトヘイトというとりでを守ってきた執念深い白人の南アフリカは、いつまでも制度を維持することは不可能だと悟った。

 

普段、日本という平和な国の中にいると、世界にはまだ多くの非民主的な国家が存在していることを忘れてしまいがちですが、この記事を読むと、あまりの事例の多さに驚かされてしまいます。

Implacable は、なだめる、怒りを静めるという意味のplacateの派生語です。Im- は否定の接頭辞です。なだめることができない→執念深い、ということになります。

では、implacable をCollins COBUILDでみてみましょう。

 

If you say that someone is implacable, you mean that they have very strong feelings of hostility or disapproval which nobody can change.

 

Nobody can changeという部分が実にわかり易い説明ですね。長年続いたアパルトヘイトへの白人社会のこだわりが伝わってくるようです。

 

では、placate の例を、アメリカの経営誌Forbesから。

 

Beijing revalued the yuan by 2.1 pct last July and scrapped its 11-year old peg to the dollar in favor of a basket of currencies, partly to placate critics who claim the currency has been deliberately undervalued to lower the cost of its exports. (US wants to see greater China yuan flexibility - Zoellick - UPDATE 01.24.2006, 06:46 AM, Forbes.com)

 

placate critics のふたつの単語の相性はかなりよさそうですね。


+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++

Collins COBUILD についてamazon.co.jpでチェック

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006年1月25日 (水)

have a go やってみる

招(しょう)です。表に出ると昼間ビルの陰になって日が当たらない部分にはこのあいだの雪がかちかちに凍りついてしまっていて、歩くと少し怖いです。このところ、ちょっとばたばたして更新ができませんでしたが、早速、The Economistの記事から英語表現を拾ってみましょう。


If outsiders make such a mess of getting rid of despots, why not encourage the locals to have a go? (A rainbow of revolutions, Jan 19th 2006, The Economist)

独裁者を駆逐するために外からやってきたものたちがこれほど混乱を招くのであれば、国民に立ち上がらせたほうがいいのではないか


 イラクだけでなく、中東全域にアメリカ型の民主主義を広めよう(押し付けよう?)としている米国に対する反発は相変わらず強いわけですが、やはり専制君主に対抗するには、その国の人々が自ら立ち上がらなければならないという主張の記事ですが、たいへんな長文です。ただ論点はシンプルですから、それほど読みにくいわけではありません。長くなっているのは実に多くの事例を引き合いに出しているためです。

 その見出しの部分、具体的な国名や地名などなにも出てきませんが、記事全体の主張を簡潔に表現しています。Have a go は「やってみる」。Collins COBUILD で go を引くと、A go is an attempt at doing something. という説明が出ています。


Have a go を使った例文を、今度はアメリカ経営誌Forbesから。

The subsequent delight of fellow students and professors inspired the three to have a go at making the dolls available for commercial purchase. (The Needies Need You to Need Them, Leah Hoffman, 12.23.05, Forbes.com)

ある人形を作って起業した学生のストーリーです。「起業」にhave a goはぴったりくる表現ですね。

(記事の全訳は英語エコノミスト日本語オンラインサービスを提供している会員制サイト www.eis-world.com )


+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++

Collins COBUILD についてamazon.co.jpでチェック

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月18日 (水)

買収に関連する英語表現(2)

前回に引き続いて、「買収」の表現についてThe Economist, January 14, 2006 の記事 I like to be in Amerikaからみてみましょう。

ThyssenKrupp is in a bidding battle with Arcelor of Luxembourg for Dofasco, Canada's biggest steelmaker.

(仮訳)ティッセンクルップはカナダの最大手鉄鋼メーカー、ドファスコの買収をめぐってルクセンブルグのアルセロールと激しく争っている。

bidding battleは、すなわち買収のための株の買取価格をめぐってふたつの会社が争っているという意味です。

Last year adidas-Salomon bought Reebok, a rival sports-shoe firm, for $3.8 billion.

(仮訳)昨年、アディダス=ソロモンは、競合のスポーツシューズメーカー、リーボックを38億ドルで買収した。

言わずもがなですが、bought も買収になりますね。もちろん、「買った」という訳語でしっくりくる場合もあると思いますが。それは、文章の前後の流れで変わるということになります。

And that is just a few of the German companies to have been shopping in North America.

(仮訳)これらは、北米で企業買収を進めているドイツ企業のほんの数例に過ぎない

ひとつの意味を英語で表現しようとする場合には、頭を柔軟に使うことが大切ですね。もちろん、場合によっては、11で訳語を決めたらそれで押し通したほうがいい場合もありますけれど、とくに英文を和訳するときや、英語の話者の話を日本語に通訳するときは、(とくに日本語を母語とする者としては)、日本語としてのわかりやすさを最優先することが大切だと思います。

+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++

Collins COBUILD についてamazon.co.jpでチェック

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月16日 (月)

買収に関連する英語表現(1)

米国企業の買収に積極的なドイツ企業を取り上げたThe Economist, January 14, 2006 の記事 I like to be in Amerika の冒頭の部分から、「買収」の表現の仕方について少しみてみましょう。

通常は、合併買収というときは、mergers and acquisition という表現を使います。mergerは合併、acquisitionが買収ですね。

英語は繰り返しを嫌う言語ですから、記事の中では単調にならないようにさまざまな表現を使って「買収」を表現します。しかもそれらはたいてい平易な単語です。英語から日本語に翻訳する場合は、(翻訳者や編集者によって考え方は分かれるかもしれませんが)、読み手にわかり易い文章にすることを最優先に訳語を選択するので、直訳すれば「買収」になるはずのない表現でも「買収」と訳すことが起こりえます。

BASF, a German chemicals giant, is courting Engelhard, an American catalyst-maker, in a bid that may turn hostile.

(仮訳)ドイツの巨大化学企業BASFは、米国の触媒メーカー、エンゲルハードに買収提案を行っているが、敵対的買収になる可能性ある

court は、法廷やテニスコートを意味する名詞ではなく、求愛する、機嫌をとるといった意味の動詞です。bidは、辞書を引くと入札、努力などの訳語が出てきます。いずれも、直接、買収そのものを意味している言葉ではなく、買収に向けた動きを表した言葉ですが、訳語としては、買収」という言葉を入れてあげたほうがすっきりするのではないでしょう

ちなみに court は、Collins COBUILD では、次のように説明されています。

To court a particular person, group, or country means to try to please them or improve your relations with them, often so that they will do something that you want them to do.

明日も、この続きを見ていきます。

+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++

Collins COBUILD についてamazon.co.jpでチェック

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月14日 (土)

Economist誌 Jan 7, 2006号の注目記事

招(しょう)です。東京は冷たい雨が降ってます。本格的な雨は久しぶりかなぁ。みなさんのところはいかがですか? それでは早速、The Economist 誌の最新号から、主な記事をいくつか拾ってみましょう。

 

グリーンスパン後のアメリカ★

Danger time for America (Leaders)

今月末を持って、1987年以来、18年間務めたFRB(連邦準備制度理事会)議長の職から退くことになったアラン・グリーンスパン。後任はベン・バーナンキ大統領経済諮問委員会(CEA)委員長です。好調を持続しているように見えるアメリカ経済ですが、グリーンスパン後の金融政策の舵取りを任されるバーナンキ氏にとっては、厳しい未来が待っていると見たほうがよいようです。

 

★スペシャルレポートはイランの核問題を特集★

イランのウラン濃縮関連活動再開をめぐる問題は、国際社会からの強い反発を招きました。今週のThe Economistも、3本の記事で、多角的にこの問題を分析しています。

 

When the soft talk has to stop (Special Report)

非常に長い記事ですが、この記事1本だけ読めば、イラン核問題の経過、背景、国際社会の今後の対応など、この問題の全体像が把握できるのではないでしょうか。

 

Whistling in the gloom (Special Report)

イラン指導部の強気な姿勢はどこから来るものなのかを分析。これまで厳しい経済制裁などを乗り切ってきたこともその自信の一部となっているようです。

 

Misreading Iran (Leaders)

イランの核開発によってもっとも影響を受けるのはどの国か。そしてイランはどの程度危険なのか。対話による解決が失敗した今、安保理付託と制裁の時であると、記事は結論付けています。

 

★アリート連邦最高裁判事候補★

The brainbox and the blowhards

公聴会の質疑を乗り切って、指名承認が濃厚となったアリート高等裁判事。毎回一筋縄ではいかない最高裁判事選び。

 

★google創業者の目に映っている未来とは★

St Lawrence of Google (Business)

googleの共同創設者兼CEOのラリー・ページ。輝かしいサクセスストーリーの先に見据えている今後のコンピュータ社会の姿とは。

 

+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月13日 (金)

統計・確率論に関連することば

The Economist 2006年1月7日号 Bayes rules (Psychology) より (その3)


統計、確立論などに関連する言葉を見てみましょう。まずは、日常でも使う機会がありそうな(?)言葉から。

☆ inference 推論、推定

推論も、推定も日本語で書くとなんだか似ていますが、英語で説明を見ると違いがはっきりします。出典はHarperCollins PublishersのCollins COBUILDから。

1 An inference is a conclusion that you draw about something by using information that you already have about it. (=conclusion

2 Inference is the act of drawing conclusions about something on the basis of information that you already have.

前者は可算名詞、後者は不可算名詞になります。意味からすれば当然ですが。

☆ correlation 相関関係

☆ causation 因果関係

こちらもCOBUILDから。

The causation of something, usually something bad, is the factors that have caused it. (FORMAL)

では、確率分布の種類についてもまとめておきましょう。

★ probability distribution 確率分布

★ normal distribution 正規分布 (Gaussian distribution = ガウス分布、または bell-curve distribution = 釣鐘分布) 記事中では、こんなセンテンスとして出てきます。The best known of these probability distributions is the “normal”, or Gaussian distribution.

★ Poisson distribution ポアソン分布 Erlang distribution アーラン分布 power-law distribution ベキ法則分布 記事中ではこうなています。But there are also the Poisson distribution, the Erlang distribution, the power-law distribution and many even weirder ones that are not the consequence of simple mathematical equations (or, at least, of equations that mathematicians regard as simple).


+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++



マンガでわかる統計学 マンガでわかる統計学

著者:高橋 信,トレンドプロ
販売元:オーム社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

with flying colours 大成功で

The Economist 2006年1月7日号 Bayes rules (Psychology) より (その2)

 人間の脳が思考する働きは、まだ十分に解明されていません。18世紀の英国人聖職者トーマス・ベイズの確立論の仕組みが、その解明の糸口になるかもしれないと考えた科学者がさまざまな実験を重ねる中で、手ごたえのある結果も出てきているようです。

◆ They found that it passes with flying colours. ◆

with flying coloursという表現を知らずに、そのまま訳そうとすると「なんで色が飛び交ってるの? 絵の具投げ?」と混乱するはずです。大昔の戦争を思い浮かべてみるといいかもしれません。日本で言えば戦国時代、西洋で言えば中世の頃でしょうか。戦に勝利して、色鮮やかな旗を翻す様子です。ここから、ただの勝利や成功ではなく、大勝利、大成功という意味が出てくるのですね。

 さらに動詞passと結びつきやすく、New airport passes test with flying colors などのように、「見事に合格する」というつかい方をされることが多いようです。

 とくに受験生の方々はまさに正念場を迎えていると思いますが、ぜひともpass with flying coloursといきたいところですね。

+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++

英単語のあぶない常識―翻訳名人は訳語をこう決める

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月12日 (木)

immune to ~の影響を受けない

The Economist 2006年1月7日号 Bayes rules (Psychology) より (その1)

 

 招(しょう)です。みなさん、鏡開きはしましたか。もう今月も三分の一過ぎてしまったんですね。

さて、それでは早速、The Economistの記事から英語表現を拾っていきましょう。

18世紀英国の聖職者トーマス・ベイズの確率論は、グーグルの検索サービスをはじめアプリケーションの開発に大きな役割を果たしているそうです。これがいわゆるForbesやFortuneのような、経営や投資の視点から編集されるビジネス誌の記事であれば、企業よりの記事になるのでしょうが、そこはThe Economistのこと。生真面目に正面からベイズ派の確率論に向き合っています。

 

◆ SCIENCE, being a human activity, is not immune to fashion. ◆

 まずは、本文冒頭の一文です。immune to ~ もともとは「~に免疫がある」という意味です。Collins COBUILD (HarperCollins Publishers)では、 If you are immune to a particular disease, you cannot be affected by it.とあります。ここから、「~の影響を受けない」というもうひとつの意味が出てきます。同じくCOBUILDではIf you are immune to something that happens or is done, you are not affected by it.とあり、例文としてFootball is not immune to economic recession.とあります。つまりは「影響を受けずにはいられない」ということになるわけです。私たちはついうっかり「科学」とは普遍的なものだと思い込みがちですが、科学の世界にも、その時代の流行というものがあるのですね。そのことを読者にまず思い起こさせることで、読者を引き込んでいく、そんな文章です。

 この記事の英文は、Economist.comから、有料購読会員でなくても閲覧が可能です。明日も、引き続きこの記事から、役に立つ英語表現を見ていくことにしましょう。

 また、このベイズ理論については、少し古い記事になりますが、cnet.comに興味深い記事がありますので、トラックバックしておきましたので、参考にしてください。ではまた。

 

+++姉妹ブログ通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++


Book ベイズ統計学入門

著者:渡部 洋
販売元:福村出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する


| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年1月 8日 (日)

Jan 7, 2006号の目次から

招(しょう)です。寒い日が続きますね。こんなときは暖かいココアでも飲みながら、のんびりThe Economist でも読みませんか(^^; 最新号の記事から目に付いたものをいくつかあげてみます。詳しくは Economist.com へどうぞ。

 

●表紙・カバーストーリー 

After Sharon(Leaders)

脳出血で倒れたイスラエルのシャロン首相の記事が表紙です。3月の選挙を控え、自らが党首を務めていたリクードを離党し新党を結成したばかりの突然のできごとでした。和平への道はますます険しさをましそうですね。

 

●日本関連の記事

Greying Japan (Asia)

日本の人口がついに減り始めました。定年退職の年齢見直しなど、企業の対策が必要だと記事は訴えています。

 

Open again for business (Finance and Economics)

息を吹き返しつつある日本の銀行。しかし、その真価が問われるのはまさにこれからということになりそうです。

 

●スペシャルレポート エネルギー問題を取り上げる記事2本

Nervous energy

The energy empire

 

その他の主な記事
It's corruption, stupid (Leaders)

米国の大物ロビイスト、ジャック・エイブラモフ容疑者をめぐる捜査は大がかりな政界汚職事件に発展していくのでしょうか。中間選挙を控え、共和党はこの機会に clean house するべきだと記事は主張しています。

 

Will lightning strike the Republicans (United States)

上記の記事にも関連して、こんどの中間選挙、とくに知事選で共和党は苦戦を強いられそうです。

 

A fuzzy picture (Business)

モバイルTV時代の可能性を探ります。

 

The big book index

世界中のAmazon.comの12月1日から23日までの間のベストセラー上位10点です。

+++姉妹ブログ 通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++


ポリティサイド―アリエル・シャロンの対パレスチナ人戦争 Book ポリティサイド―アリエル・シャロンの対パレスチナ人戦争

著者:バールフ キマーリング
販売元:柘植書房新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006年1月 5日 (木)

Economist.comの便利なcountry briefing機能

 招(しょう)です。寒い日が続きますね。明日の朝は記録的な冷え込みになるらしいです。あったかくして寝ないとね。

 さて、Economist.com に、country briefing という機能があることはご存知でしたか。私たちは日本人ですから、やはり海外のメディアに日本がどのように取り上げられているかという点に興味があります。Economist.comのトップページの左側にあるcountry briefingというボックスをクリックすると、国の名前がアルファベット順に出てきます。ためしにJapanをクリックしてみてください。日本についての経済を含めた基礎情報だけでなく、最近の記事の中から日本について書かれたものがまとめて表示されます。これは便利な機能ですよね。

 実は、私もつい最近知ったばかりなんです。早速ご主人様にも教えてあげたんですが、古畑任三郎を見てるから後にしてくれと怒られました。ふん、もう教えてやるもんか(怒)。

 まあいいや、Economist.com は、まだまだ奥が深そうです。みなさんも、面白い発見をしたらぜひ教えてください。

 さて、日本時間で明日6日の朝にはEconomist.com の print editionのページも更新されますね。新年一回目はどんな記事が掲載されることになるのか、そして招のご主人様はどんな記事の翻訳を担当することになるのか、いまから楽しみです。

 

+++姉妹ブログ 通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++


Music 古畑任三郎 オリジナル・サウンドトラック・ベスト

アーティスト:TVサントラ
販売元:ポニーキャニオン
発売日:2005/12/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月 4日 (水)

適者生存 survival of the fittest

From “The Story of Man”, The Economist, December 24, 2005

 招(しょう)です。ご主人様は今日4日から仕事始めでした。久しぶりの通訳でなんだかちょっと調子が出なかったとぼやいてます。

 さて、私のほうは、早速 The Economist の記事の中身を見ていくことにしたいと思います。まずは現在のprint editionの最新号である December 24, 2005 issue のカバーストーリーから。

 翻訳でもそうなのですが、とくに通訳の場合、日本語の四字熟語と、それに対応する英語をいかに知識として蓄えているかがパフォーマンスを左右する重要なポイントになってきます。「適者生存」と ”survival of the fittest” をふたつ並べてみれば、どうということはない。ああ、そうか、ということになるのですが、この両者が頭の中できちんとつながっているかどうか、単純に知識として知っているかどうかは、実際に現場でどちらか片方が出たときに切実な問題になってきます。

 

A nice idea in a world more usually thought of as seasoned by the survival of the fittest.

(The story of man, Economist.com, Dec. 30, 2005)

 

survival の前にも the がついていますから、仮に知らなかったとしても、あぁ、これは何かの決まり文句なのだなということがぴんとくるはずですね。ですから、訳すときもそれがはっきり伝わるように訳せればベターだと思います。

「適者生存」は、最近は企業が生き残りをかけて戦うビジネスの世界で使われることが多い表現ですが、もともとはダーウィンの進化論に関する議論の延長線上に登場した言葉だそうです。フリー百科事典『Wikipedia』の適者生存の項によると、「社会進化論の提唱者である哲学者のハーバート・スペンサーが発案した造語」とあります。The Economistの記事では

 

It was Spencer, an early contributor to The Economist, who invented that poisoned phrase, “survival of the fittest”.

 

とあり、なんとこの哲学者のスペンサー氏も The Economist の寄稿者だったことがわかります。160年の歴史を持つThe Economist恐るべし、といった感じでしょうか。

 では、ついでにアメリカの経営誌Forbesの少し前の記事から survival of the fit の例を。

 

I believe in capitalism and survival of the fit, but it isn't good for business--or for America--to have so many of our domestic auto and parts companies in financial trouble. (Good For America: Higher Prices And Great Cars by Jerry Flint, Forbes.com, August 30, 2005)

 

 そして、私が愛用し、通訳者、翻訳者になるために勉強している方に強くお勧めしている、Collins COBUILD の survival の項には、こうあります。 

 

You can use the survival of the fittest to refer to a situation in which only the strongest people or things continue to live or be successful, while the others die or fail.

 

 通訳者や翻訳者は、市場原理のもとで淘汰されるリスクに常にさらされる商売ですが、招(しょう)のご主人様には、ぜひとも適者生存の「適者」であってほしいものだと強く願っています。

 

+++姉妹ブログ 通訳という名の迷宮 もどうぞよろしく+++


適者生存―メジャーへの挑戦 Book 適者生存―メジャーへの挑戦

著者:長谷川 滋利
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年1月 2日 (月)

Economist.com の有料購読

 招(しょう)です。もう正月も二日が過ぎてしまいましたね。4日が仕事始めという方は多いと思いますが、明日はちょっと憂鬱でしょうか。招のご主人様も、インフルエンザで倒れた友人のピンチヒッターで、4日が仕事始めになったそうです。

 さて、昨日はEconomist.comの目次から、記事の概要を見てみましたね。まだ実際にアクセスされていない方は、ぜひ試してみてください。さて、記事のタイトルの横にE+という赤い印がついている場合は有料コンテンツなので、この記事をオンラインで読むには、お金を払って定期購読Subscriptionすることが必要です。

Economist.com の有料購読は、大きくふたつのタイプに分かれます。

[1]雑誌 The Economist (print edition)を定期購読する場合

Economist.com から購読を申し込んだ場合、1年間で28,152円です。雑誌の定期購読を申し込むと、追加料金なしでEconomist.com にもアクセスできるようになります。

[2]雑誌の定期購読はせずEconomist.comから記事を読みたい場合(web-only edition)

--年間料金 79ドル(自動更新あり) または 89ドル(自動更新なし)

--月極料金 19.95ドル(自動更新あり) または 24.95ドル(自動更新なし)

(上記料金はいずれも2006年1月1日現在)

 また、2005年7月からは、先に紹介したThe Economist誌の記事の翻訳が読めるeis-world.com の購読料金を払って会員になると、翻訳記事だけでなく、Economist.comに無料でフルアクセスできるようになっています。

 このブログでは、記事の有料、無料にかかわらず、取り上げていく予定ですが、できるだけ記事そのものを英文で読んでいない方であっても、何かしらためになるような内容にしていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

+++姉妹ブログ 通訳という名の迷宮 もよろしく+++

 

パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記 Book パーネ・アモーレ―イタリア語通訳奮闘記

著者:田丸 公美子
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月 1日 (日)

一年の計は The Economist から

 招(しょう)です。みなさん、新年あけましておめでとうございます。これからの一年間が、読者のみなさんにとって実り多き年でありますように、心からお祈りいたします。

 オフィス招来福は元旦早々新年会です。福(ふく)はのりのりで踊りまくってますが、私はブログの更新のためにちょっと抜け出してきました。

 今日は、The Economist の中身の概要を、目次から見ておきましょう。

 まずは Economist.com にアクセスしてみましょう。左側を見ると ONLINE FEATURES の下に PRINT EDITION という項目があり、最新号の表紙が出ています。こちらをクリックすると、右側に最新号の目次が表示されます。 eis-world.com のトップページから「最新号目次」をクリックしても同じ内容が表示されますが、こちらの目次も英語のままです。では、Economist.com に戻ります。内容をベースに、記事の項目を分けると、以下のようになります。

◆特集、メイン記事

On the cover、Leaders、Special report

On the cover は、いわゆるカバーストーリーで、表紙のデザインに関連する主要記事です。

◆ニュース

The world this week

  一週間の世界のニュースをまとめています。The Economist が自らを newspaper と呼んでいるひとつの理由でしょう。Politics this week と Business this week に分かれています。

◆世界各地域の記事

  United States, The Americas, Asia, Middle East & Africa, Europe, Britain

◆記事の内容をベースとした項目

Business、Finance & Economics、Science & Technology、Books & Arts

◆経済指標など

  Economic and Financial Indicators、Emerging-Market Indicators

◆その他

Letters、Surveys、Obituary、

Surveyというと、ついアンケート調査が頭に浮かびますが、この場合は、概説、概論、概観といった意味で使われています。ある特定のテーマについて、その全体像が体系的にまとめられています。Obituary は死亡記事です。

 だいたいのイメージがつかめましたか。無料で閲覧できる記事もありますから、目次に表示されている情報から、読んでみたい記事が見つかったら、どんどんクリックしてみましょうね。

 それでは今日はこの辺で。  (招)

Book 星野富弘詩画集カレンダー 2006年版 (2006)

著者:星野 富弘
販売元:いのちのことば社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年12月 | トップページ